海外旅行保険への加入が義務化されている国
海外旅行保険の加入は任意と認識している方もいらっしゃると思いますが、一部の国では観光で短期の滞在であっても入国する外国人に対して一定以上の治療費をカバーできる保険加入を義務付けています。このページでは、入国する外国人に対する海外旅行保険加入を義務化している背景とその主な国をご紹介します。
※このページの内容は、観光・商用等の短期滞在に関する内容です。留学やワーキングホリデー、海外駐在を目的としたビザ申請の際には、各国大使館・領事館の情報をご確認ください。
外国人に対する海外旅行保険加入の義務化の背景
外国人観光客が年々増加している日本でも度々ニュースになっていますが、外国人が旅行中に現地病院で治療を受け、その治療費を支払わないまま母国に帰国してしまい、最終的に本人と連絡が取れなくなったため医療機関や自治体がその治療費を負担せざるをえない事態が一部で発生しています。厚生労働省の2015年調査(※)によると、調査した1,378病院のうち35.3%の病院で外国人の医療費未払いがあり、日本政府も入国審査等での対策を検討しています。この問題は日本に限った問題ではなく、諸外国においてもヨーロッパを中心に外国人観光客に対して海外旅行保険の加入義務化や加入勧奨、医療費の前払い化などで対策を行っており、義務化している国では入国審査時に保険加入の証明書(保険契約証、付保証明書等)の提示が求められるケースがあります。
※出典:厚生労働省「医療機関における外国人旅行者及び在留外国人受入れ体制等の実態調査」
海外旅行保険への加入を義務化している主な国と求められる補償範囲
国 | 求められる補償範囲 |
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チェコ![]() |
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ポーランド![]() |
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ラトビア![]() |
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リトアニア![]() |
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ブルガリア![]() |
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エストニア![]() |
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ハンガリー![]() |
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エクアドル (ガラパゴス諸島を含む) ![]() |
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イラン![]() |
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※上記の情報は、2018年10月現在における、外務省海外安全ホームページおよび日本貿易振興機構(ジェトロ)ホームページ、各国大使館・領事館ホームページの記載情報を基に作成しています。海外旅行保険の加入義務や補償範囲については、渡航前に旅行会社や各国大使館で最新情報を必ずご確認ください。
また、上記の中には通行自由化・手続きの簡素化を目的としたシェンゲン協定を締結している国が含まれています。シェンゲン協定の加盟国(欧州26か国)ではシェンゲン領域内への短期滞在(180日の期間内で最大90日間)について共通政策が採用されており、シェンゲン領域への入域に査証(ビザ)取得が必要な者は、旅行医療保険(3万ユーロ以上)への加入が求められます。日本国民はこの査証取得が免除されているため対象にはなっていませんが、スペイン、ドイツ、スウェーデンでは査証取得が免除されている旅行者に対しても保険加入を勧奨しているなど、個別に対応している国もあります。そのため、これらの国に途中滞在および通過される場合には、海外旅行保険に加入して保険証券・付保証明書等を携行することをお勧めします。
■シェンゲン条約加盟国(26か国)
ベルギー![]() | ドイツ![]() | フランス![]() | ルクセンブルク![]() | オランダ![]() | スペイン![]() |
ポルトガル![]() | イタリア![]() | オーストリア![]() | ギリシャ![]() | デンマーク![]() | フィンランド![]() |
アイスランド![]() | ノルウェー![]() | スウェーデン![]() | チェコ![]() | エストニア![]() | ハンガリー![]() |
リトアニア![]() | ラトビア![]() | マルタ![]() | ポーランド![]() | スロバキア![]() | スロベニア![]() |
スイス![]() | リヒテン シュタイン ![]() |