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帰国後に感染症が発症したら補償される?

 2014年に約70年ぶりに国内での感染者が確認されたデング熱や、WHO(世界保健機関)が2016年にブラジルで50万人~150万人が感染した可能性があると伝えたジカ熱など、海外旅行では食べ物や蚊・ダニなどを媒介とした感染症に感染してしまうことがあります。このページでは、海外旅行中に感染したウイルス(病原体)が帰国後に発症した場合の海外旅行保険の補償範囲、海外での感染症の発症状況、予防対策についてご紹介します。


帰国後に発症した場合も海外旅行保険の補償範囲なの?

 感染症には、ウイルス(病原体)に感染してから発症するまでの潜伏期間があります。そのため、海外旅行中に感染したものが帰国後に発症する場合もあります。では、自宅に到着して海外旅行保険の保険期間が満了した後でも補償の対象になるのでしょうか?
 「t@bihoたびほ」では、保険期間中に感染した「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」第6条に規定する一類感染症~四類感染症(※)が帰国後の一定期間中に発症した場合は、「疾病死亡」および「治療・救援費用」の補償対象になります。

※被保険者が死亡または治療を開始した時点において規定する感染症をいいます。

海外旅行の期間中に感染した一類感染症~四類感染症が直接の原因となった場合、海外旅行保険の保険期間が終了する帰宅後においても下記の要件を満たせばそれぞれ補償の対象となります。詳しくは、約款全文をご確認ください。

疾病死亡疾病死亡
海外旅行が終了した日からその日を含めて30日以内に死亡した場合

治療・救援費用治療・救援費用
海外旅行が終了した日(保険期間終了日)からその日を含めて30日以内に治療を開始した場合


■「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が規定する感染症

分類感染症の疾病
一類感染症エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
二類感染症急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(※1)、中東呼吸器症候群(※2)、鳥インフルエンザ(※3)
三類感染症コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス
四類感染症E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽(そ)、鳥インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く。)、ボツリヌス症、マラリア、野兎(と)病、
その他、既に知られている感染性の疾病であって、動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、前各号に掲げるものと同程度に国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして政令で定めるもの
五類感染症インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く。)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、
その他、既に知られている感染性の疾病(四類感染症を除く。)であって、前各号に掲げるものと同程度に国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして厚生労働省令で定めるもの

※1:病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。
※2:病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。
※3:病原体がインフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであってその血清亜型が新型インフルエンザ等感染症の病原体に変異するおそれが高いものの血清亜型として政令で定めるものであるものに限る。四類感染症の感染症の疾病では「特定鳥インフルエンザ」という。

(2018年12月現在)

 また、厚生労働省が日本国内において梅毒感染者が増加傾向であることを発表し、日本医師会も感染拡大防止への注意喚起をしていますが、梅毒は五類感染症に分類されるため海外旅行中に感染して帰国後72時間以内に発症かつ治療を開始しなかった場合は補償の対象外となりますのでご注意ください。

    

 次に、一般的に多くの方に知られている代表的な感染症の世界での発症状況を、WHOの調査結果を基にご紹介します。



狂犬病(四類感染症)

狂犬病

 狂犬病はほぼ全ての哺乳動物から感染する可能性があり、動物に噛まれたり、傷口をなめられたりすることでウイルスに感染します。WHO発表の「International travel and health 2012」によると、世界中で年間55,000人が狂犬病により死亡しています。日本国内では犬等のペットの登録制度と予防接種により発症がなくなりましたが、海外で国内と同じ感覚で野良犬を撫でようとして迂闊にも噛まれてしまった場合には、狂犬病のウイルスに感染する可能性もありますので速やかに病院で受診してワクチンを注射して貰うようにしましょう。

■狂犬病の発症状況

WHO「International travel and health 2012」により「High Risk」とされた国・地域

狂犬病発症マップ
方面国・地域
アジア韓国、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、インドネシア、バングラディッシュ、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン等
中南米メキシコ、ブラジル、パラグアイ、ペルー、エクアドル、ボリビア、コロンビア、ベネズエラ、コスタリカ等
アフリカエジプト、エチオピア、リビア、アルジェリア、南アフリカ、中央アフリカ、ケニア、マダガスカル、ボツワナ、アンゴラ、カメルーン、ナイジェリア、コートジボアール、セネガル等
ヨーロッパロシア、トルコ、ルーマニア、ブルガリア、ウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、ラトビア、エストニア、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン等

※出典:WHO「International travel and health 2012



デング熱(四類感染症)

 デング熱は、ウイルスを持っているネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊に刺されることで感染し、突発的な発熱を発症します。まれに重症化して死に至る事例もありますので、疑いがある場合は速やかに病院で受診を行ってください。2014年には日本国内で海外渡航歴がない感染者が見つかり、代々木公園を一時は立入禁止にして蚊の一斉駆除を行うなどのニュースになったことで広く知られることとなりました。


■デング熱の発症状況

WHO「International travel and health 2012」よりデング熱が報告された国・地域

デング熱流行マップ
方面国・地域
アジアフィリピン、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、インドネシア、シンガポール、パプアニューギニア、インド、バングラディッシュ、ネパール等
北米・

中南米
アメリカ合衆国(テキサス州南部)、メキシコ、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン(北部)、チリ、ペルー、エクアドル、ボリビア、コロンビア、パナマ、コスタリカ、ジャマイカ等
アフリカエチオピア、ソマリア、ケニア、タンザニア、コンゴ、マダガスカル、ナイジェリア、コートジボワール、ガーナ、ギニア、セネガル等

※出典:WHO「International travel and health 2012



ジカ熱(四類感染症)

 ジカ熱は、前述のデング熱と同じく蚊の媒介によってジカウイルスに感染することで発症する感染症です。対処するワクチンがないことから、肌の露出を減らすことや虫除けスプレーを使用するなどで蚊に刺されないように身体を護ることで感染を予防しましょう。

■ジカ熱の発症状況

WHO「Archived Zika virus classification tables」の2018年データの内、厚生労働省が流行地域として注意を呼びかけている「2015年以降初めて又は再び感染事例が報告され、現在も感染伝播が起きている地域」もしくは「2015年以前にウイルス伝播が確認又は2015年以降新たに感染事例が報告され、中断なく感染伝播が起きている地域」に分類された国・地域

ジカ熱流行マップ
地域国・地域
アジアインド、インドネシア、バングラディッシュ、モルディブ、ミャンマー、タイ、カンボジア、フィジー、ラオス、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール、パプアニューギニア、ソロモン諸島
中南米メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、エクアドル、ボリビア、コロンビア、パナマ、コスタリカ、ジャマイカ、プエルトリコ、バージン諸島等
アフリカアンゴラ、ギニアビサウ、中央アフリカ、ガボン、カメルーン、ナイジェリア、コートジボアール、ブルキナファソ、セネガル等

※出典:WHO「Archived Zika virus classification tables 2018」|厚生労働省「ジカウイルス感染症の流行地域



マラリア(四類感染症)

 マラリアもウイルスをもった蚊に刺されることで感染する感染症です。WHOの2018年発表資料では、アフリカを中心に毎年43万人以上の人が感染し、特に5歳未満の子どもが罹患した場合には死亡する場合もあるとのこと。マラリアには予防薬があり、日本国内でも承認されている薬もありますので、マラリア感染の可能性がある国・地域へ渡航される場合には、医師に相談のうえ処方して貰うことをおすすめします。


■マラリアの発症状況

WHO「WORLD MALARIA REPORT 2018」のデータにおいて、2017年に1件以上の感染者の報告があった国・地域

マラリア流行マップ
方面国・地域
アジア韓国、フィリピン、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、インドネシア、インド、アフガニスタン、バングラディッシュ、ネパール、パプアニューギニア等
中南米メキシコ、ブラジル、ペルー、エクアドル、コロンビア、パナマ、コロンビア、コスタリカ等
アフリカ南アフリカ、ケニア、コンゴ、ボツワナ、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、カメルーン、ギニア、セネガル等

なお、北米方面(アメリカ合衆国・カナダ)・ヨーロッパ方面・オーストラリア・ニュージーランドでは、過去3年以上においてマラリアの感染者報告は「0件」となっています。

※出典:WHO「WORLD MALARIA REPORT 2018

 最後に、厚生労働省は海外渡航者向けに感染症に関するあらゆる情報をホームページ「FORTH」で発信していますので、ご出発前に是非確認してみてください。