【特集】ドクターズ・インタビュー:フィリピン(チョンワ病院マンダウエ)

公用語が英語、日本からも飛行機で約5時間と近いため、語学留学で人気のフィリピン。滞在中は慣れない生活環境のため、体調を崩したり、ケガをして病院で受診することもあると思います。日本語で対応してもらえる病院があるといえども、現地の医療情報はやはり予め知っておきたいもの。そこで、弊社のフィリピン(セブ)のキャッシュレス提携病院である「チョンワ病院(マンダウエ)ルルド エデン ジュセイ先生」に現地で予め気をつけたいことをインタビューしました。
Q:日本人留学生が受診の際に多い症状は?
A:年間を通したトップ5の症状をご紹介します。
1:発熱 2:咳 3:のどの痛み
4:下痢 5:鼻水・鼻づまり
フィリピン料理は、「濃い味付け」、「香辛料」、「揚げ物(油分)が多い」など、日本の食文化とは全く異なるから、お腹の具合が悪くする方が多いというイメージがあるかもしれません。でも、実際には風邪(かぜ)の症状で受診されるケースが最も多いです。語学学校の教室や寮で集団生活をされているので、体調を崩した他の生徒から風邪(かぜ)の症状が移ってしまいやすい環境にいることが、その理由です。また、英会話レッスンは、エアコンが効いて乾燥した教室内で行われます。この中で毎日8時間ほど、ほぼ一日中話し続けていることも「咳」や「のどの痛み」の症状が発症する原因だと思います。

Q:注意した方がいい病気等はありますか?
A:感染症、特に「デング熱」には十分な注意が必要です。
デング熱
デング熱は、ヒトスジシマカやネッタイシマカがデングウイルスを媒介することにより感染します。フィリピンは熱帯地域なので蚊が多く、こちらでは日本のインフルエンザと同じくらい一般的な感染症です。これまでも、滞在して1週間ほどでデング熱に感染し、せっかくの留学期間の大半を病院で過ごすことになってしまった留学生もいらっしゃいました。
デング熱には、症状が軽いものから重いものまで6種類の型があり、軽い症状なら普段通りに動いたり食事ができますが、重症の場合は動くこともできなくなってしまうため入院が必要になります。デング熱での受診件数は、当院のジャパニーズヘルプデスクだけでも年間50~100件。デングウイルスに対する特有の薬はありませんので、回復・治癒に1~2週間(個人差があります)、経口補水液等の水分吸収力の高い飲み物を多く摂るようにして、ウイルスが体内から消失するまで熱の変動と症状の管理が必要になります。
留学期間中は、倦怠感や湿疹、発熱、吐き気などがある場合は、単なる体調不良と自己診断せず、まずは病院で受診するよう心がけてください。
予防方法
・虫除けを使用する。日本ではスプレータイプが広く使用されていますが、フィリピンでは塗るタイプの虫除けクリームが主流です。
・蚊が多い地域に行く場合は、長袖・長ズボンを着用する。

Q:ケガ等で注意すべきことはありますか?
A:日常生活とマリンスポーツでの事例をご紹介します。
日常生活
フィリピンでの生活に慣れてくると、移動手段としてタクシーよりも安価でスムーズな『ハバルハバル』を利用する学生が増えてきます。利用の際に注意してもらいたいのが火傷です。
普段からバイクに乗らない方は想像しづらいですが、後部座席側には排気ガスで高熱になるマフラーが付いているため、半ズボン等で肌が露出していると誤ってマフラーに触れてしまい、火傷してしまいます。また、転倒等の事故に巻き込まれることもありますので、可能であれば長袖・長ズボンを着用して利用しましょう。
■『ハバルハバル』とは?
・二人乗りのバイクタクシー
・フィリピンでは朝・夕方は交通渋滞が激しいため、安価でスムーズに移動できることから市民の足になっています。
・料金相場は、数十ペソ。(距離により料金は異なります)
・その他にも安価な移動手段として『ジープニー』という乗合バスがありますが、同乗者との距離も近いため「車内では財布やスマートフォンを出さない」「大金や高価なものを身に付けて乗らない」など、十分に注意を払って乗車してください。
海でのケガ
水上バイク/ジェットスキー等のアクティビティで股関節や手を骨折するという事例もありますが、最も多いのは重度の『日焼け(熱傷)』です。皮膚に水ぶくれ(水泡)が生じる「Ⅱ度熱傷」で来院される場合もあり、この場合は早期に治療する必要がありますので気がついたら速やかに病院で治療を受けてください。フィリピンは、日本以上に日差しが強いので、こまめに日焼け止めを塗ることやラッシュガードの着用などで対策しましょう。
海へ出かける場合は、
『クラゲ発生情報』を要チェック!
フィリピンの海でも季節や気候条件によっては、クラゲが発生することがあり、地元のダイバー達はSNS等を通じてクラゲ発生の情報収集を行っています。留学生はクラゲ発生に関する情報収集の方法を知らないことが多く、知らずに海に遊びに行った結果、クラゲに刺されてしまうということが頻繁に発生しています。以前にも留学生が7~8人が同時に刺されてに来院したことがありました。
Q:常備薬等は持参した方がよいですか?
A:特別に準備する必要はありません。体調がすぐれない場合は、早めに病院で受診することをお勧めします。
ただし、アレルギーがある方は、アナフィラキシー補助治療剤(エピペン等)を常に携行しましょう。それ以外は、私自身の習慣になりますが、解熱剤や痛み止めはどこの国へ行く場合も飲み慣れたものを持っていきます。前述の通り、気がつかないうちに蚊に刺されてデング熱に感染している可能性もあるため、自己診断はせず、医師に診察してもらい、正しい薬を処方してもらうことが大切です。
最後に
チョンワ病院(マンダウエ)のジャパニーズヘルプデスクでは、安心して診療を受けていただくサポートを行っています。知らない異国の地で急に体調を崩すことはよくあります。「病院で受診するための仕組み・流れがわからない」「外国人の医師・看護師との会話が通じない」などの様々な不安を、ジャパニーズヘルプデスクの日本人もしくは日本語が話せるスタッフが皆さんをサポートします。

Chong Hua Hospital Mandaue(チョンワ病院 マンダウエ) | |
診療時間 | 月~金 9:00-17:30 土 9:00-14:00 |
住所 | Medical Arts 809, Mantawi International Drive,Subangdaku, Mandaue City, Cebu |
医療機関区分 | 総合病院 |
女医 | 在籍 |
日本語医師 | - |
日本語スタッフ | 在籍 |
ご利用方法
- t@bihoサポートラインにご連絡ください。
- 受診の際にはパスポート等の身分証明書をご持参ください。お持ちの場合は、契約内容(PDF)、付保証明書(PDF)、保険契約証(※)も合わせてご持参ください。
- キャッシュレス提携病院の受付で、お名前、パスポート(お持ちの場合は上記書類)の提示、t@bihoサポートラインから予約の旨等をお伝えいただき、当サービスのご利用をお申し出ください。
- キャッシュレス提携病院に備え付けの書面内容をご確認の上、ご記入いただき、受診してください。
- 医療通訳が必要な場合はt@bihoサポートラインにご連絡ください。(原則、日本語から英語による電話通訳となります)
- ※ ご利用がスムーズにいかない場合は、t@bihoサポートラインにご連絡ください。
- ※ ご旅行目的が留学・駐在・ワーキングホリデーのお客さまには、ご契約後、郵送にて保険契約証をお届けします。観光・商用のお客さまには保険契約証はお送りしておりません。契約証をご希望の方には有償(400円・税込)にてお届けしております。(マイページからお手続きください)
※こちらで紹介している対処法は一例のため、状況や環境により最適な対処法が異なります。緊急の場合は救急車を呼ぶなどの状況等に応じた必要な行動を取ってください。